就労移行支援の相談が不安な方へ|今の気持ちを伝えるヒント

就労移行支援の見学や利用を考えているけれど、何を相談すればよいか分からない。そんな不安があるときは、気になることを短い言葉や仮の点数にして整理すると、相談で話すきっかけになります。

AIモデルのJevについての公式文書で「System One」の説明を読んだとき、私は認知行動療法(CBT)のガイドにある、不安を点数で表す例を思い出しました。就労移行支援の利用を検討するときにも、自分の状態を相談相手に伝える方法の一つとして考えられます。

Jevの「System One」は、何をする仕組みなのか

TypeSafeの公式文書によると、Jevは「System One」と呼ばれる種類のAIモデルです。System Oneという名前は認知心理学のSystem 1に由来しますが、ここで扱うのは、人の直感や思考そのものではなく、AIが判断を返す仕組みです。

文章やデータと、評価したい問いを渡すと、決められた選択肢や尺度に沿った答えと確率が返ってきます。たとえば、問い合わせの内容を見て担当部署を選ぶ、といった絞られた判断をします。

その中に「Score」という評価の形式があります。「落ち着いている」「不満がある」「非常に怒っている」のように段階を定めると、それぞれの段階に当てはまる確率をもとに数値を返します。段階と段階の間の値になることもあります。その数値や選択結果を、プログラム側で次の処理を決める材料にできます。

この仕組みの説明から思い出したのが、CBTのガイドで紹介されている、不安の強さを本人が点数で表す例です。

CBTのガイドにある、不安を点数で表す例

認知行動療法(CBT)を用いたNHS informの不安に関するガイドには、状況ごとの不安を点数で表す例があります。避けがちな状況を挙げ、それぞれについて、不安がまったくない場合を0、非常に強い場合を10として評価しています。

JevではAIが与えられた基準に沿って評価するのに対して、このガイドでは本人が自分の不安を点数にします。評価する主体も仕組みも異なりますが、私は「複雑な状態をいったん扱いやすい形にして、次にどうするかを考える」という点に接点を感じました。

就労移行支援の相談で、支援員と気がかりを整理する成人

たとえば、仕事の準備を前に、今の自分の不安はどのくらいかを考えてみます。

「今日は7くらいかな」

ここでの7は、今の自分の感覚を、いったん数字に置き換えたものです。6と7のどちらが正しいかを突き詰めるよりも、「今は不安がかなり強いと感じている」と捉えるための仮の目盛りにします。

私が日常の場面に重ねて考えるのは、こうして表した点数を、次に何をするかの判断につなげることです。

働くことへの不安を、今日できる一歩につなげる

たとえば、仕事に応募しようと思っているのに、求人情報を見るところで手が止まっているとします。今の不安を考えると、「10のうち7くらい」という感じがする。

そこで、「今日は応募まで進めよう」と一度に決める代わりに、「求人を一件だけ開いて、気になったことを一つメモするならどうだろう」と考えてみます。

「それならできそう」と感じるなら、それを今日の一歩にする。まだ難しそうなら、「何が気になっているかを、相談できる相手に話す」を選ぶこともできます。

7点ならこの行動をする、という決まりを作ることが目的ではありません。自分が感じている不安の強さと、今できそうなことを照らし合わせるという考え方です。点数が何点かだけでなく、何を選べたかにも目を向けます。

点数からこぼれる事情も、一緒に見る

一方で、数字にすると抜け落ちるものがあります。

同じ7でも、初めての作業だから不安なのか、説明が分からないのか、失敗した経験が気になっているのかで、考えたいことは違います。数字だけを見ても、その背景までは分かりません。

だから、点数の横に「何が気になっているか」を短く添えておく。話を聞く側の人は、「7なんですね」で終わらせず、「どのあたりが気になっていますか」と、その人の言葉を聞く余地を残しておくのが良いと思います。

点数は、状態の全体を表すものでも、診断や客観的な正解でもありません。人どうしで比べて、誰の不安が深刻かを決めるためのものでもありません。

細かな文脈の一部をこぼしながらも、今の状態を捉えやすくする。そのよさと限界を踏まえて、次の一歩を選ぶために使う。仮の点数には、そんな役割があると考えています。

就労移行支援の相談で、今の不安を伝えるなら

荒川区・西日暮里のIT特化型就労移行支援事業所「IFキャリアステーション荒川」では、見学や相談を受け付けています。ご見学を希望される方は、見学予約フォームをご確認ください。

「今はこのくらい。では、今日は何ができそうだろう」

不安をすべて説明しきれないときにも、そう問いかけるところから、次の一歩を一緒に考えていけたらと思います。